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Lee-Byung-hun addicted

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Dreaming of LA <4>

Dreaming of LA 4




「嫌だ・・・これ、美味しいわよ」

目の前の揺はアーティチョークのがくをスプーン代わりにして
マグロのタルタルステーキをすくうと、
大きな口をあけて一気に口に押し込んでいる。

そして目を細め感動していた。

「揺・・・ちゃんと説明しろよ」

彼の口は尖っている。

「もう・・・そんな顔しちゃって・・・さっき説明したじゃない」

揺はニヤッと笑ってそういうと横に座る彼の尖った口に軽くキスをした。

「あ~~お前、マグロの味がする。
俺が我慢してるのに・・お前がそんな残酷な奴だとは思わなかった」

「あら、ごめんなさい。でも、一晩くらい大丈夫よ。
ほら、食べちゃえ食べちゃえ。どれもローカロリーよ」

揺はそういうと彼にタルタルステーキを差し出した。

「あ~~んして。ほら、あ~~ん」

最初は戸惑っていたビョンホンも揺があまりに勧めるので口を開いた。

「・・・・旨い」

「でしょ~。でも・・・・食べちゃって大丈夫?明日リバウンドしてるかもよ」

「お前っ!」

ビョンホンはそういうと揺に襲い掛かりソファに押し倒した。

見つめあう二人。

「ごめん・・・うそうそ。冗談よ。でも・・・大丈夫?またそんなに食べないで」

「ああ・・お前が来たからもう大丈夫」

彼はそういってにっこりと笑うと揺の首筋に顔をうずめた。

・・・・・・

「だからね。あの日、こっちに来ることを彰介にも電話したら、
やっぱサプライズだろって言われて・・・」

「だからって俺に黙ってこっちに来るなんて・・・」

「だって・・・あなたの驚く顔が見たかったから」

アメリカンサイズのソファはとても大きい。

二人が抱き合って横になるにはちょっと狭いくらいでちょうどいい広さだ。

とても人には見せられないような姿で二人はベッド・・
いや、ソファの上で愛をはぐくんでいる。

「全く・・・その間、俺がどのくらい心配したって思ってるんだよ・・」

「ごめん。ごめん。もうしない・・・」

彼にそっとキスしてそういうと

揺は生まれたままの姿でワイングラスを手にとり

ほの暗い間接照明の中、クッションで胸を隠してグラスを傾けた。

そしてにっこり微笑むと彼にゆっくりとキスをする。

赤ワインがゆっくりと彼の中に注ぎ込まれた。

「俺、ダイエット中なんだけど・・・ま、いっか」

「うん。今晩は再会のお祝いだから、特別よ」

二人はまた抱き合うとにっこりと微笑みあった。



「スエちゃん、ぐっすり眠ってたわ」

二人は広いキッチンのシンクで並んでお皿を洗いながら、

今まで会えなかった時間を埋める作業に精を出していた。

電話で頻繁に話していたはずなのに、話したいことは山のようにある。

洗い物が終わっても尽きることはなく、しまいには二人でオーブンや鍋まで磨いていた。

「あ~面白すぎる・・・でも、良かったね。
大変そうだけど、とっても充実してそうで安心したわ」

揺はそういってにっこりと微笑んだ。

「ああ・・お前もやっと来てくれたしね。
で・・明日から俺のアパートメントに来るんだろ?」

ビョンホンは当然のことのようにそう口にした。

「え?行かないわよ。通いで家政婦さんはするけど、
スタッフも一緒だし、気を使ってもらうの申し訳ないからね。」

「じゃ、どうするの?」

「しばらくはおばあちゃんたちとホテル」

「そっか・・そうだよね。しかし、おばあちゃん元気だよな~。
90にしてLA観光なんて」

「私も、びっくり。まさかみんなで行こうって話しになるなんてね。
明日は市内観光のガイドよ。私」

「俺も行こうかな」

「撮影のくせに・・」

揺は隣の彼のわき腹を肘でつついた。

「じゃ、みんなが帰ったら、どうするの?ここ?」

「どうするかなぁ~。
オープンチケットで来たから当分はこっちにいられるけどね。
いくら広くたって、ここにずっとってわけにもね」

「やっぱ一緒に・・・」

彼はそういうとお鍋を拭いていた隣の揺の腕にそっとキスをすると、
下から子犬のすがるようなまなざしで揺を見つめた。

「もう・・・それ反則」

揺が彼に抱きついた途端、玄関のドアベルが鳴った。

「もう・・・かえってきちゃった。こんなんじゃ、ここにも住めないわね」

揺はそういって苦笑いすると、そそくさと玄関へ向かった。

キッチンに残されたビョンホンはまた大きなため息をついて手に持っていたフキンを放り投げた。


「また、遊びに来てよ。
いつでも、大歓迎だから。
揺はおじさんたち帰ったら待ってるからさ。
ま、みんないるうちに食事でもしよう。場所セッティングするよ」

彰介は玄関脇の大きな物入れにさっき買ってきたオムツをしまいながら、
揺たちを見送った。

物入れにはすでにオムツが何袋か入っている。

「お前・・・・俺をおもちゃにしたろ」

その光景を見て、ビョンホンは彰介を横目で睨んだ。

「何事も経験だから。
ほら、こっちで子供生まれたときこの経験が生きるかもしれないだろ・・・・
あ・・運転気をつけてね。揺」

隣のウナに睨まれて肘鉄を食わされた彰介はそそくさと別れの言葉を述べた。

「うん。じゃ、またね。ウナさん、ご馳走様。美味しかった。」

「うん。またね」

ウナは揺を気遣うように揺の肩を抱いた。


彰介たちに見送られ、家を後にする。

車のシートに座った二人の間にはどこかぎこちない空気が流れていた。

「揺・・・気にするなよ。彰介だって悪気があったわけじゃない」

「うん。わかってる。あいつとは長い付き合いだから・・ただの冗談だって。
私は全然気にしてないけどさ・・きっと気にしたんだろうなぁ~って皆が思って、
みんなに心配かけてるんだろうな・・って思うと胸が痛いわ。
彰介今頃ウナさんに凄い怒られてるわ。
きっと・・・・。心配してくれてありがと。でも、私は大丈夫だから。」

揺はそういってにっこりと笑うと彼の頬にそっとキスをした。

「でも・・からかわれたあなたが悪気があったわけじゃないって彼をかばってるの・・何だか面白い」

「それもそうだな。いつか仕返ししてやろう」

ビョンホンは何かたくらんでいるような顔でそういうと、ギアを持った揺の手をやさしく握りしめた。


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